スエードとヌバックの違いをどこまで知っていますか?

起毛革の豆知識

起毛素材って言われると、パッと思い浮かぶのはスエードですね。

一応、ああ見えて本革なのですが、革の表面を毛羽立たせて細かな毛を立てているんです。

表面の手ざわりが最高で、サラサラとした触り心地にウットリとしちゃいます。

 

さて、起毛革には種類がいくつかありますが、あなたはその違いを知っていますか

 

起毛革の種類と違い

  • スエード
  • ベロア
  • ヌバック
  • バックスキン
  • セーム革

表面を起毛させた革の種類は大体これくらいでしょうか。

それぞれの呼び方をわざわざ変えているように、やはりそれぞれが持つ意味も変わってくるんですね。

今日はそんな起毛革の豆知識です。

 

スエード

一般的に起毛革と言えばスエードというぐらい浸透している言葉です。

「革の側」にバフがけ(ヤスリがけ)をして毛羽立たせています。

起毛革はヤスリがけによって表面を毛羽立たせるのが一般的ですが、紙ヤスリと金属ヤスリによって仕上がりに差が出るようです。

違いを確かめた事が無いので分かりませんが、紙やすりの方が仕上がりが良いようですね。

革の裏側から削っていくわけですが、削れば削るほどキレイで安定した起毛になるため、スエードは大抵薄くてしなやかです。

素材の性質上、汚れやすいというデメリットがあります。

素材

クロム鞣しのヤギ、豚、牛、鹿、羊などの皮革が良く使われています。

特に豚はピッグスエードと呼ばれていて、レザークラフトでは革財布の裏張りに張られる事があります。見た目の高級感がアップしますよ。

起原

フランス語で「gants de Suède(ガンツ・デ・スエード)」つまり、スウェーデンから来た女性用の手袋から名前を取っています。

スウェーデンから来た手袋は起毛素材を使った贅沢な高級品だったので、そこから言葉が一人歩きして起毛革=スエードになったそうです。

使い道

靴やブーツに良く使われている素材ですが、革財布にもごくたまに使われるのかな。

ちょっと探してみたけど、楽天の怪しいヤツしか見当たりませんでした。

本革のスエードよりも合皮のスエードの方が沢山出回っているので、安易に飛びつかないようにしましょう。

エクセーヌ(アルカンターラ)などの高級な合皮もありますけどね。

 

ベロア

スエードと同じく革の裏側をバフがけしたものですが、ベロアの方が毛足が長く滑らかです。

スエードと違ってあまりメジャーな言葉ではありませんね

ドイツではスエードの中の一部、品質を表す言葉として使われているようです。

スエードとの使い分けはすごく難しいです。

 

ヌバック

スエードの反対側、「革の」をバフ研磨して起毛させたのがヌバックレザーです。

革の外側に当たる部分、銀面をバフがけするのでスエードに比べて丈夫ですが、その分高価です。

ヨーロッパでは靴業界以外に、丈夫で手ざわりが良い特性を生かして高級家具にも使用されています。

スエードと同じように日光や油汚れに弱く、大事に使うなら防水スプレーが欠かせません。

名前の由来

  • newbuckが訛ってヌバックになった説

たぶん新しいスエードという意味で使われたのでしょう、とチラッとだけフランスのWIKIに書いていたのを発見しました。色んなサイトに書いてある「neobuck説」については残念ながら分かりませんでした。

スエードとの違い

ヌバックの方が皮革素材的に見て、スエードよりも高級です

また、床面をギリギリまで削って作るスエードと違って、ヌバックはあまり削らないのでスエードよりも革が厚いです。

見た目や触り心地も毛足の長さも違うので、同じ起毛皮革という位置付けですが別物という扱いになります。

使い道

先程も言いましたが、ヨーロッパの方では高級家具に使われています。

他にも、靴やブーツ、ハンドバッグ、またスエードと違って革財布にも使われることがあります。

ココマイスターのナポレオンカーフシリーズとセトラーのオイルドヌバックは鉄板ですね。

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バックスキン

本来なら「BUCK SKIN(バックスキン)」つまりオスの鹿革という意味です。

しかし、そこから転じてヘラジカの革をネイティブインディアンと同じ方法で鞣した革を指すようになりました。

耳で聞くと「BackSkin(革の裏)」に聞こえるので、スエードと同じ起毛革という意味合いでも使われます。

ちなみに、日本ではバックスキンの使い方がかなり複雑で、鹿革を起毛させたもの、鹿革そのもの、スエード調のもの、色々と混同されて呼ばれていますので気をつけて下さい。

アメリカでのバックスキンは鹿革として、起毛の有無は関係なく使われていました。eBay調べ

 

セーム革

元は鞣したカモシカの革を起毛させた皮革素材のことです。

今では羊やヤギ、ブタを似せて加工された革もセーム革と呼ばれています。

多孔質なので、水をたくさん吸う性質を利用して車を洗車したあとの拭き上げなどによく使われていますね。

今では洗車用具として沢山の合皮も出ていますが、本革セームはやはり人気があります。

吸水性のいい起毛素材(合皮含む)の事を全てセーム革と呼んでいるので、本来の意味でのセーム革が今も使われているかどうかまでは分かりませんでした。

日本ではキョンという鹿の革を使ったキョンセームが高級品として出回っていますね。

※ちなみに、キョンは日本各地の動物園から逃げ出し繁殖して害獣になっています。WIKIPEDIAより

 

補足:高級合皮

日本ではエクセーヌ、アメリカではウルトラスエード、ヨーロッパではアルカンターラと呼ばれている「東レ」が作った合成皮革は、世界中の高級車に使われているぐらい高価な合皮です。

本物のスエードよりも汚れに強く手入れが必要ないので、車業界では本革に変わる素材として注目を浴びています。

車のシートカバーだと、本革よりも高い最高級素材として君臨しています。

合皮だと本革よりも価値が低いように感じますが、合皮の中にはそういった高級品もあるんですね。

 

まとめ

軽く調べるつもりだったのに、アッチとコッチで言っている事が全く違っていたりして整合性を取るのに大変でした。

かなりの部分を多言語ウィキペディアに頼って、あとはその国の権威の有るサイトを参考にまとめていますので信頼性はそこそこだと思います。

ま、世界各国で起毛革の扱いが違う事と、特に日本の起毛革は独自路線で突き進んでいるので永遠に意味合いが統一されることはないでしょう。

ぶっちゃけスエードとヌバックくらいで分けておくと、みんな分かりやすくて良いと思うんですけどね。

たぶん文献読んだらもっと色々と細かいんだろうなぁ。

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