縫製が気になる、と言うお話
今回は愚痴というか雑記ですので最初に謝ります、お目汚しすみません。
実は僕、財布とかキーケースのような革小物を見ている時ってステッチが一番気になるんです。いや、もっと言うと、服とかの衣料品もなんだかんだで一番最初に見てしまいますね。縫製が悪ければ絶対に買いませんし。軽い病気ですね。(笑)
革職人はどこで実力の差が出るのか
さて、職人同士の優劣を決めるとしたら一体どこで決めるのでしょうか。これは昔からずっと考えていて、今でもたまに考えたりします。
実際に自分で作ってみれば分かりますが、革ってタンナー、鞣し方、オイル、加工技術、部位、少し違うだけでかなり違ったモノになって来ます。
ただし、革の選定なんていうのは職人のスキルによって違うわけですし、長持ちの度合いにしても経年変化の具合にしても、一期一会というか消費者の私達には見えない部分のウエイトが大きいわけです。
つまり、ブランド側が「これは最高の革ですよー」と言えば信じるしかないのです。
ヤフオクや楽天などで大量に売られている栃木レザー使用の激安財布が、本当に栃木レザーを使っているのか分かる人はどれくらいいるのでしょう。革の偽装なんて表記を変えるだけでいいので簡単に出来てしまいます。
一目見て分かる素晴らしさ
革の良し悪しはブランドの言いなりにならざるを得ませんが、縫製は見たら分かりますよね。一目瞭然でしょ。
例えば、今回の記事を書くのにネットで色々な財布の縫製を見ていったのですが、すごくぶっ飛んでいるブランドを見つけました。これを世に出すことで僕は消されるかも知れませんが、このブログを訪れたあなたにだけは知っておいて欲しい事実が有ります。
これ、どう思いますか?
上の写真はジッパーの引き手部分の縫製がガタガタ。下の写真は、ミシンの針が合ってないんでしょうね。グサグサな仕上がりになっています。
この2枚の写真はアマゾンに売っていた同じ商品の写真ですが、こんな商品管理で売られています。
せめて営業用の写真ぐらいはいい写真を取って欲しいですよね。こんなの見たら買う気が失せてしまいます。
公式サイトなら・・・
なーんて、アマゾンの写真だから写りが悪かったんですよね。
だから、次は公式サイトから写真を拝借してきました。
って、ガッタガタやん!
いやー、たまたま一番最初に選んだヤツが悪かったのかと思って他にも色々見ていたんですけど、これはお家芸と呼べるレベルの出来ですね。縫い目なんてどうでもいいぜって感じでしょうか。
この製品はネット上でも縫製が悪いとか雑という評判が多いのですが、まさかここまでとは思っていませんでした。
ただ、勘違いして欲しくないのは、この製品だけに限らず縫製がガッタガタなブランドなんていっぱい有りますよってことです。
見た目にこだわるのは最重要なのですが、これからはステッチも気にしてあげて下さい。
縫製=技術の集大成
もうね、ぶっちゃけ一番目につくステッチが駄目なのに、「良い革を使っています」とか「最高の職人と素晴らしいスタッフが揃っています」って言われても、そりゃ嘘だろってなっちゃいますよね。
だからこそ、縫製を見ればその会社の在り方や考え方って言うのが分かると思っています。
なので僕がステッチを大事にしている理由が分かって頂けたでしょうか。
こんなことを言っといてアレですが、デザインがめちゃくちゃ気に入れば多少縫製がひん曲がっていても買っちゃえば良いと思いますよ。人からはあまり見られない場所ですし。
自己満足になりますけど、やっぱり最後に残るのは「愛」だと思います。