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革の知識

栃木レザーが教えてくれる革の鞣し方【初心者向け】

日本を代表するタンナー「栃木レザー」。

徹底された製品管理と技術力で現在の地位を築き上げています。

そんな栃木レザーが動画で革を鞣す工程をアップしていたので、いい機会だと思いご紹介します。

 

革の鞣し方は栃木レザーが教えてくれた

実際、革をなめす工程のことは知っていても、なめす工程をその目で見たことが有る人はどれだけいるのでしょうか。

僕もたまに外国のタンナーをYOUTUBEで眺めるくらいで、国内タンナーの内情を見ることが出来るなんて思ってもみませんでした。

それも、あの栃木レザーの工程を、ですよ!

 

鞣す(なめす)とは

そもそも鞣すという言葉を知らない人に説明すると、

  • 生き物から剥ぎとった皮を、腐らないように防腐処理、毛抜き等の加工を行った物の事

軽く言うとこんな感じです。

言葉にすると軽いんですけど、実際に革として使えるようにするまでに複数の手順が必要になります。

各タンナーもその工程を知られないように一子相伝の秘伝にしているところもあって、ブラックボックスな部分が大きいと思っていました。

なので、今回の栃木レザーの動画はかなり貴重な資料だと思います。

 

革の鞣し工程

さっそく革の鞣し工程を見ていきましょう。

栃木レザーはご存知の通り、フルベジタブルタンニン鞣しの北米産ステアハイドをメインで作っているタンナーです。

現在は工場見学を行っていない代わりにYOUTUBEにて配信するようにしたみたいですね。

栃木レザーの公式サイトでも見ることができます。
≫ 「http://www.tochigi-leather.co.jp/

 

1,原皮の水洗い

  • 北米から仕入れられた原皮は腐敗防止のために塩漬けされています。
  • 24時間ドラムで水洗いして表面の塩分や汚れを落としたり、皮から抜けた水分をしっかり補給します。

こうやって、塩漬けされたパリパリの状態から、元のしなやかな皮に戻していくんですね。

仕入れた状態から使える状態まで24時間掛かるって、他のモノづくりでは考えられない時間です。

 

2,背割り

  • 仕入れた牛の皮が大きすぎるので、ドラムで洗浄した後は背骨のラインにそって真っ二つに割ります。
  • 少しでも小さくすることで、この後の工程で作業しやすくするんですね。
  • この時に、チーキングと呼ばれる原皮の首周りの厚みを調整する作業も入ります。

てか、この動画で使っているナタのような包丁の切れ味がヤバすぎですね。スパスパ切れています。

むちゃくちゃ重労働ですよ、これ。

 

3,石灰漬けによる脱毛

  • 石灰乳と呼ばれる液体に漬け混むことで、皮についている余分脂肪を取り除いたり、生体由来の毛を取り除きやすくします。
  • コラーゲンを柔らかくする働きもあるそうです。
  • 5段階の濃度に分かれたピット槽へ順番に漬けていくことで、しっかりと脱毛することができます。

大きなローラーを使って効率的に皮の移動をしています。

ピット槽に落ちたら大変な事になる、命がけの作業ですね。

 

4,フレッシング

  • フレッシングと呼ばれる皮の裏表についた余分な物を取り除くために大きなローラーマシーンへ通します。
  • 二つのローラーの間に挟み込むので、同時に皮の厚みも調整できたりします。
  • この時に、薄い皮と厚い皮の選別も行います。

二人がかりでの作業も大変そうです。大量に水分を含んだ皮なので相当重たいんでしょうね。

何気に栃木レザーはイケメンが揃っているような気がします。

 

5,脱灰・酵解

  • 脱灰とは「石灰漬けの時に残った皮の中の石炭を取り除くこと」です。
  • 石灰漬けの革を中和することで作業がしやすくなります、
  • また、酵素によってタンパク質が分解されて、銀面が滑らかになります。

今までの工程全てが、水を含んだ重たい皮を手作業で移動させるという事を繰り返していて、信じられないくらい体力あるなぁと関心してしまいます。

有害な水分だと思われますので、夏場なんて特に大変でしょうね。

 

6,ベジタブルタンニン鞣し

  • 栃木レザーは世界有数の規模のピット槽を保有している。
  • ブラジル産ミモザのタンニンを数十年継ぎ足しながら使っている。
  • 濃度の薄い槽から順番に約30日掛けて鞣し上げて革になっていく。

やっと鞣し工程まで来たと思ったら、かなりすごい規模のピット槽です。本当に鞣すまで色んな手順を踏んでいるんですね。

数十年継ぎ足した秘伝のミモザエキス、匂いだけでも嗅いでみたい!!(笑)

 

7,水絞り

  • 鞣し終わった革は再洗浄される。
  • その後、サミングマシーンと呼ばれる専用機械で水分を取り除かれる。
  • この時に細かいゴミを手作業で取り除く。

ジーっと見ていると、この時点で革にキズが結構ありますね。

水分を取り除く目的だと書いていましたが、ローラーでプレスすることで表面の平滑化も同時に行われています。

やっと僕たちの知っている革になりましたね。

 

8,加脂

  • 水分を抜いた状態の革は堅い。
  • 油分を浸透させるためにドラムでオイルを叩き込む。
  • 前半20分、後半20分ドラムを回せば加脂完了。

動画の中にあった「脂を叩き込む」という表現、めっちゃカッコイイですよね、ワクワクしてきます。

この工程に使われているドラムの年季の入り方が個人的にツボです。かなり腕のある職人が作っているような気がします。

 

9、セッター

  • オイルが入って柔らかくなった革を伸ばす
  • 丁寧に伸ばす
  • ひたすら伸ばす

この工程でも3人がかりで作業をしています。本当にたくさんの人の手が入っていますね。

ようやく見たことのある革の表情になってきました。

ナチュラルってその名の通りで、この状態がすでにナチュラルの色なんですよね。

 

10,感想

  • セッターで伸ばした革を、約10日干して乾かす
  • 干す前の革は重たい

セッターの時に、こっそり糸みたいなものを括りつけていたのを覚えていますか?

あの糸がここで生きてくるなんて、本当に面白いですね。

干すところが鉄骨で組まれているので、革の一枚一枚がそうとう重いのは容易に想像できます。

 

後工程

  • Coming Soon...

栃木レザーの公式サイトではここまで上がっています。

またこまめにチェックしていきますので、本日はここまでです。

 

まとめ

今回は乾燥までをご紹介しました。

正直ここまで見せてくれただけでも十分すぎるほど嬉しいんですけど、また栃木レザーの方で更新があれば、ご紹介したいと思います。

こんなに面白い企画は無いと思うので、次の動画公開を楽しみにしています。

どこよりも早く動画を見たければ公式サイトへ!
≫ 「栃木レザー公式サイト

 

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