革財布メインのWEBサイトを運営していてなんですが、合皮ってそこまで悪い物では無いですよね。
合皮を毛嫌いしている人がすごく多くてビックリしたんですけど、本革とは用途が違うのでそこさえ理解すれば大丈夫ですよ。
合皮は本革に劣るのか
合皮、正式には「合成皮革」ですね。
近頃のバッグなどでは高額な本革に変わって、安価で大量に作られる合皮が出回っています。
合皮の出来がドンドンと良くなっているので、一目見ただけでは合皮か本革かを判断するのが難しくなってきていて、触っても本革と判断が付かない場合が増えてきています。
車用のシートカバーではPVCという合皮が主流なのですが、本革の半額程度で手に入り、さらに見た目も耐久性も素晴らしいのです。
合皮の作り方
合成皮革の名の通り人工的に作られるのですが、布などの元となる素材をポリウレタンでコーティングして革らしい模様を付けます。
表面を見ると本革そっくりに見えるのですが、裏から見ると布地が見えるので、本革と違って床面がありません。
合皮のメリット・デメリット
- 本革と比べて安い
- 大量生産が可能
- 丈夫で長持ち
- 手入れ不要
これらがメリットで、とにかく安くて大量生産が出来るので材料に困らなくていいです。
ただ、本革を超える耐久力や、本革そっくりの見た目に近づけようとすると値段がかなり上がってきます。
また、
- 馴染みにくい
- 革特有の匂いがしない
- 経年劣化する
といったデメリットがあります。
個人的に一番つらいのが経年劣化で、安物の合皮を使うと加水分解でボロボロに崩れてくることがあります。
よく合皮のソファーの背もたれがボロボロになっているのは、座った人の汗で少しずつ加水分解しているんですね。
経年変化はまったくしないわけじゃなくて、なんとなくアジが出ないような気がしますが、長年使っていると普通に変化してきます。かなりゆっくりした変化ですけどね。
合皮の見分け方
燃やす
焼けばいいんだよって言われたことが有るんですけど、ポリウレタンでコーティングされているので、ライターで炙ればビニールが焼けるような匂いがします。
ただ、合皮にも色々あるので、燃えやすい素材に火を付けてしまうとあっという間に燃え広がって偉いことになります。
なので、燃やして試すのはオススメしません。
匂いを嗅ぐ
革の匂いがしなければ、それは合皮である可能性が非常に高いと思います。
匂いのしない革もあるので、これも確実な方法じゃないですね。
断面を見る
これが一番確実だと思うのですが、合皮だと思っている革の裏側を見ても同じ効果が得られます。
合皮のベースは布地なので、布地部分が見えたら合皮だと確定するわけですね。
問題は、簡単に出来る方法では無いということでしょう。
お店で売っている品物が合皮かどうか分かんないっていうときに、ズバッと切るわけにいかないですしね。
僕の合皮失敗談
合皮って水に強いってどこかのサイトで見たので、内装部分に合皮が使われている革財布を洗濯してみたんです。
革って洗濯するとキレイになるので、革ジャンをよく洗っているんですけど、革財布は初めてだからやってみようって。
結果的に、財布の革でできた部分は問題なく洗えました。
合皮は・・・水を吸ってデロンデロンに伸びきってしまって、もう使い物にならなくなりました。
ネットの情報なんて、もう何も信じない!って思った瞬間でしたよ。
高級な合皮もあるんだよ
「東レ」という化学繊維を扱っている会社が作った「エクセーヌ(アルカンターラ)」という合皮は半端じゃないです。
起毛タイプの合皮なのですが、海外では本革に変わって高級車の内装に使われはじめています。
日本でも一部の車へ採用されています。
ちなみに、エクセーヌを使った車のシートカバーは、本革のシートカバーの2倍近くの値段がしますよ。
まとめ
すごく出来の悪い合皮から、むちゃくちゃ出来の良い合皮まで、合皮にも様々なグレードがあります。
エクセーヌで作られた財布は知りませんが、そのうち出てくるんじゃないでしょうか。
革財布の性質上、汗に必ず触れるので、加水分解する合皮はそんなに向いていないんじゃないかと思っていますが、コストカットで合皮が使われる場合も増えました。
財布の場合は、長年使い込む事を前提に本革の方が良いという事です。
半年持てばいいや、というレベルなら合皮の財布も全然有りですよ。