【革知識その2】ブライドルレザーとは?普通の革とどう違うの?

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ブライドルレザーは、初めての革財布にピッタリな革素材です。

とくに、

「手入れがネックで革財布が買えない。」

「革は扱いが難しいからちょっと・・・。」

というような人でも、ブライドルレザーを選べば失敗することはほとんどないでしょう。

ハリのある硬めの革なので慣らすまでに時間がかかりますが、そのぶんラフに扱える丈夫な革です。

ヌメ革やコードバンよりも、よっぽど初心者に向いている革だと思います。

  • 丈夫に作られていて長く使える
  • 手入れの回数が少なくてすむ
  • 使い込むことでツヤのある経年変化が楽しめる

というわけで、ここでは少し特殊な革「ブライドルレザー」が普通の革と違う部分を中心に、どういった革なのかを説明していきますね。

 

ブライドルレザーを選ぶメリットとは?

ほかの革と比べてブライドルレザーのメリットというと、

  • 耐久性に優れている
  • 独特の経年変化がカッコイイ

というところがあげられます。

硬さがあるので型くずれにも強く、ビジネスシーンでも広く使われています。

アジが出るまでに時間はかかりますが、長く使った分だけ愛着を持つことができますね。

 

もともと馬具として作られたブライドルレザー

馬勒

ブライドルレザーが財布などの革小物に使われはじめたのはここ10年ぐらいのことで、それ以前は馬具用の革として使われていました。

そもそも、ブライドル(Bridle)というのは、馬の手綱や、馬勒といった意味です。

上記画像を見てもらえればわかりますが、馬を引くときに負荷がかかる部分なので相当頑丈でなければ千切れてしまいますよね。

おまけに、馬のヨダレや突然の雨などの水分にも強くなければいけません。

ほかの革と比較すると、ブライドルレザーにはガッツリとハードに使われてきた歴史があるのです。

 

ブライドルレザーの作られ方

ブライドルレザーは、オイルを入れる前に革の銀面(表面のことです)を削っています。

先に表面を削っておくことでグリースが染み込みやすくなるんですね。

それから、蜜蝋と獣脂を混ぜ合わせた「ブライドルグリース」と呼ばれるブライドルレザー専用に調合された油脂でなめしていきます。

 

とても堅牢な革だよ

ブライドルレザーは、イギリスで数百年間変わらず使われている伝統的な革

牛革の中でも身の詰まった丈夫な部位「ベンズ(背中)」「ショルダー(肩)」をタンニンで鞣し、そのあと長期間かけて油脂(ブライドルグリース)を染み込ませて作られます。

油脂を染み込ませる期間はタンナーによっても違いますが、およそ5ヶ月~1年ほどかかるようです。

フルグレインブライドルレザーという銀面を残したまま鞣す方法だと、1年以上かかる場合もあるそうで。。。

昔ながらの作り方になるので、革一枚作るのにものすごく時間がかかってしまうんですね。とても貴重なんですよ。

 

ブライドルレザーは高級品?

ブライドルレザーは、「タンニン鞣しの革」に「各タンナー秘伝のワックス(蜜蝋やオイルを混ぜたもの)」を何度も何度も塗りつけて仕上げられます。

ワックスが内部まで浸透した革は抜群の強度を誇るので、馬具に使えるほどの堅牢性を手に入れるのです。

市場に流通している皮革の中ではトップクラスに頑丈なので、縫製が難しく職人泣かせの革と言えますね。

もちろん買ってからも馴染むまでに時間がかかります。

その代わり、ブライドルレザーの経年変化は素晴らしく、とくに使い込まれたブライドルレザーは深い光沢を放ちます。

個人的には濃い色の方が美しい艶が出やすいと思っています。

 

エイジングがカッコイイ!

ブライドルの財布を買う人のうち、じつに80%以上もの人がこの艶のあるエイジングを求めているといわれています。

というのは冗談ですが、でもエイジングがカッコイイのは本当です。

使い込むことで艶も出てきますし、手入れが少なくてもカッコよく変化していくため、革の良さを思う存分堪能できますよ。

僕の財布は、表面:ブライドル、裏面:ヌメ革、なのですが、手入れ無しでも思わずニヤついてしまうぐらい変化します。

⇒ブライドルレザーの財布を買ったよー!

 

ブライドルレザーの見分け方

  • 表面に白い粉のようなものがついている
  • 表面がスムース(ツルツル)になっている

ブライドルレザーの見た目には、このように2つの大きな特徴があります。

使い込んだ状態で見分けられるのか?というと難しいですが、店頭にある新しいものに限っていえば粉付きなので分かりやすいかな、と。

というわけで、細かい説明は以下に続きます。

 

特徴1:表面に白い粉がついている

ブライドルレザーが使われた製品をよく見ると、表面に白い粉のようなものがついています。

白い粉のことを一般的にブルームと呼ぶのですが、ほかにもタロウなどと呼ばれることがあります。

これはなにかというと、ブライドルレザーをなめす時に使われた蝋が浮き出てきているんですね。(後から足したりもするそうです。)

使っているうちに落ちてなくなるので、新品であるという証にもなります。

 

※ちなみに、ブルームの意味としては、

■チョコレートの表面に成分が析出し、白く固化する現象

  • ファットブルームまたはオイルブルーム - 油脂が析出
  • シュガーブルーム - 砂糖が析出

■ブルーム (果実):成熟した果実の表面に生じる白い蝋状の物質

Wikipediaより引用~

ということのようです。

WIKIを見てもブルームという言葉が、ロウの浮く現象を指すのか、浮いてきたロウそのものを指すのか、までは分かりませんでした。

ですが、革にブルームを染み込ませてブライドルレザーを作るのではなく、革の表面に浮いてきた白いものをブルームと呼ぶんですよね。

この辺の定義が曖昧なところが革業界らしくて面白いなぁ、と思います。

 

特徴2:表面がスムース(ツルツル)になっている

ブライドルレザーはほかの革のように、型押しだったり、シボがついていたりということはなく、表面に模様をつけられることはほとんどありません。

ツルツルのスムース仕様です。

硬いからなのか何なのか、型押しをしない理由はハッキリ分かりません。

けれど、僕が知っている中でブライドルレザーの型押しを扱っているのはWhitehouse Coxだけです

ブライドルの表面が平坦になっている理由はいくつかあるでしょうけど、

「鞣す段階でオイル(ブライドルグリース)を浸透させやすいように、革表面にバフがけ(ヤスリがけ)をしている」

というのが大きい原因なのではないかと予想しています。

 

コードバンとブライドルレザーの違い

ブライドルレザーの財布を使っていると、「あれ、その財布コードバン?」なんて聞かれたりすることがあります。

「ブライドルレザーは牛革、コードバンは馬のお尻の革。」

と、細かい素材の違いはあるにしても、相当な革好きでない限り一瞬で見分けるのは難しいです。

両面ブライドルの黒い財布なんて、表面にブルームがついてなければ分かんないと思います。

コードバンの財布が欲しいけど値段の関係で手が届かない人は、両面ブライドルの財布にするのもアリですね。

 

水分への耐久力が違う

見た目が似ている、ブライドルレザーとコードバンですが、じつは素材自体の性質が違います。

コードバンは水に弱いため、雨などの水滴が当たると水ぶくれという現象を起こすことがあります。

「財布に気を使いたくはないけど、カッコ良いヤツが欲しい!」

ということなら、ブライドルレザー一択ですね。

逆に、水分に対して細心の注意ができるのならコードバンも良いと思います。値段が3倍ぐらい違いますけど。

 

ブライドルレザーの手入れ方法

個人的にはコロニルの1909シュプリームクリームでケアするのをオススメしています。

ほかにもブライドルレザー専用のレザークリームもあったりするので、色々試して自分にあったものを探してみるのも楽しみの1つですね。

ですが、あまりクリームを浸透させるとコシが無くなると言われているため、塗る時は薄く薄ーく、様子を見ながら塗っていくようにしてください。

失敗してもそれがアジになるし、思い切ってやってみるのもいいかもしれません。

※僕が後輩の財布をメンテナンスしたときの記事もあるので、参考にしてみてください。

ブライドルレザーの財布をメンテナンスしました

 

ブルームは落とす派?落とさない派?

先ほども少し触れましたが、買ったばかりのブライドルレザーの財布には「ブルーム」という白い粉のようなものが浮き出ています。革の種類によっては無い場合もあります。

ブルームは革の中にあるワックスが浮き出てきたものです。

とくに理由がない限り最初に磨いて取ってしまった方がいいと思います。服やズボンに付くと取るのに苦労しますから。。。

柔らかい布で優しくこするとスルスルと落ちます。すごく簡単ですね。

ブルームの正体はロウなので熱がかかるようにこすれば早めに溶けて落ちますが、熱で革が痛む可能性もあるので力加減に気をつけてください。

あと、よく聞かれるのですが「一度ブルームを落としてしまうと復活はできない」ので、慎重に決断してください。

 

財布の防水加工はどうする?

財布を汚したくない人は防水スプレーを使う人も多いですよね。

個人的には必要ないと思っています。

僕もブライドルの財布は持っていますが、防水しないことで美味しく変化することを期待していますから。

でも、

  • よく汗をかく人
  • 汚れる可能性がある場合

などは、防水スプレーをした方がキレイな状態を保てます。

ケースバイケースで使い分けるのがベストでしょう。

 

手入れの頻度はどれぐらい?

手入れの頻度は人それぞれですが僕の場合は、革の表面が軽くカサついてきたら「うーん、そろそろやろうかな。」という感じです。

それに、いままで何人かの財布を見てきましたが、ブライドルレザーの場合はそこまで神経質にならなくても大丈夫みたいですね。

見た目以上にタフな素材です。

 

ブライドルレザーのエイジング(経年変化)

ブライドルレザーはヌメ革などと同じで、基本的にはタンニンなめしの革です。

なのでエイジング(経年変化)も期待できるんですよ。

硬いので馴染むまでにすごく時間がかかるのですが、それがまた楽しいんですよね。

財布のエイジングまとめ

 

ブライドルレザーを作っている業者(タンナー)の話

セジウィック社 ロゴ

ブライドルレザーはイギリス発祥なので、やはりイギリスのタンナー(革業者)が多いですね。

とくに有名なのがセジウィック社(J&E Sedgwick社)。ここは歴史のある超名門タンナーです

なので、通販の革小物を眺めていると、このセジウィック社のブライドルレザーをよく見かけるはず。

ほかにもグレード社やベイカー社など、個性的なタンナーがあります。

タンナーを知らずして革を語ることなかれ!世界のタンナー一覧

 

ブライドルレザーの革財布を作っているブランドは?

ブライドルレザーは加工が難しいため、販売しているブランドはあまり多くはありません。

日本のブランドなら、

  • ココマイスター
  • 土屋鞄
  • 万双
  • GANZO

などが有名です。

イギリスのブランドだと、Whitehouse Cox、エッティンガー、グレンロイヤルからなる英国御三家が有名ですよね。

なお海外では、イギリス以外の国で取扱っているのを見たことがないです。

※ちなみに、僕はココマイスターのブライドル二つ折り財布を使っています。かなり変化するのでオススメですよ。

【レビュー】ココマイスターの二つ折り財布 インペリアルパースを買ったよ

 

ブライドルレザーまとめ

ブライドルレザーはとにかく頑丈なので、長く使えるいい革です。

が、硬い分だけ経年変化もゆっくりです。長年気長に付き合っていく覚悟が必要かもしれません。

なので、「丈夫でいつまでも使い続けられる革財布が欲しい!」といった人にオススメの素材だと思います。

普通の革から比べると、ワンランク上の素材という扱いなのもわかる気がしますね。

 

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