レザーウォレットが欲しくなったとき、まず一番最初に選択肢に上がるのがKCs(ケイシイズ・ケーシーズ)だと思います。
ほかの財布に比べて割安なので海外生産かな?と思ってしまうのですが、じつはすべて日本製のハンドメイド。
自社管理の薄利多売方式で中間業者をほとんど挟まないのが価格の秘密だったりします。
「ぶっちゃけ、このクオリティで買わない理由が何一つない!」
しかも安いものだけではなく、傍らでは30万を超える芸術品のような最高級レザーウォレットも作っているんですよね。
ということで今回は、KCsの知られざる魅力について解説していきましょう!
KC,s(ケイシイズ)ってどんなブランド?
ブランド名 | KC,s(ケーシーズ) |
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■最低価格帯 | 二つ折り ¥ 7.500~ |
長財布 ¥13.800~ | |
ラウンド型 ¥21.000~ | |
■ファッション | アメカジ系、バイカーズ系 |
■公式サイト | https://kcs0840.com/ |
■ショップブログ | http://kcslabo.com/ |
■ネット販売ページ | ー楽天市場ー |
いろんなところで売られているわりに、とても謎の多いKCs。
ネットで調べても情報がほとんど無く、どこの会社が作っているのかすらわからない・・・。
そんなKCsなのですが、偶然にも営業の方と話すことができたので様々な情報を聞くことができました。
「ネットに出ていない情報でも全部公開してOKですよ!」という言葉を頂けたので、丸裸にしてきましょう!
- 素材へのこだわりがすごい
- 日本製へのこだわりがすごい
- 価格へのこだわりがすごい
簡単にまとめると、素材選びにこだわった国産ブランドの老舗で、薄利多売方式のコスパ最強ということです。
自社工房は持っていなくて、ポーターやココマイスターのように職人さんへ業務委託で作っている外部生産方式の商社スタイルです。
運営会社は株式会社オハヨーコーポレーション
KCsを運営しているのは「株式会社オハヨーコーポレーション」、1990年の創業の老舗です。
革製品ブランドのKC,s Leather Craft 以外に、アメリカ南西部の雑貨やネイティブアメリカンジュエリーを輸入しています。
ネットに情報がほとんど出てないのは、昔ながらの老舗企業だからですね。
国内では知らない人はいないほど大手の老舗レザーブランドKCs、大阪を中心に直営店が5店舗ほどあります。
KC,sの読み方はケイシイズ?ケーシーズ?
僕が一番最初に気になったのはこれ!!
「読み方がわからねぇ!!」
KC'sと書いて、ケイシイズって読みます。
公式サイトが今まで不明だったため謎だったのですが、運営会社が株式会社オハヨーコーポレーションということがわかったのでそこから調べました。
社長のブログが「ケイシイズラボ」ということからもわかるように、ケイシイズが正解ってことですね。
KC,s(ケイシイズ)の素材へのこだわり
KCsといえば豊富な革素材!
素材へのこだわりが半端じゃないのです。
たとえば、牛革の財布なのですが、財布の形や仕様に応じて栃木レザー、ヨーロッパ産レザー、アメリカ産レザー、などを部位ごとに使い分けているのです。
栃木レザーなんかだと「うちの店は栃木レザー使ってます!すごいんです!」みたいなことを謳うブランドが多い中、KCsはあくまで素材の一部としてしか説明が入りません。
このこだわり様がすごいですよね。
エキゾチックレザーへのこだわりもすごい
KCsといえばかなり珍しいアザラシの革から、よく使われるパイソンレザーまで多種多様なエキゾチックレザーが使われています。
とくに、エレファントレザー(象革)をここまで幅広く展開できているのは珍しい。
エレファントレザーはワシントン条約で縛られているため仕入れるのが難しいのですが、ジンバブエ産の象は増えているため、間引きされた分を革として仕入れているそうです。
ほかにもシャークレザーは国産ではなくメキシコ産をメインにしていて、その理由が「国産はキズが多いから」ということです。
キズが多いと捨てる分が多くなるため仕入れない、という徹底的なコスト管理は見習いたいところ。
「良い素材が手に入らない場合は作らない」と豪語しているだけあって、エキゾチック系は在庫が少ないのが難点です。
バッファローレザーが、ちゃんとしたバッファローレザー
バッファローレザーというと、中国の水牛の革を使っているところが多くてあまり良いイメージがありません。
ですが、KCsのバッファローレザーはちゃんとアメリカンバイソン(アメリカンバッファローとも表記しています)を使っています。
その特徴は、これぞバッファロー!というぐらい雄々しくゴツゴツしたシボ感。
北米最大の哺乳類ということで、もし触れることがあれば野性味溢れる雰囲気を感じてみてください。
※国産最高厚の極厚ベルト
余談ですが、KCsの凄さがわかるものの一つとしてベルトがあります。
アメカジが好きな人ならわかってもらえるかもしれませんが、ベルトってやっぱ分厚いほうがカッコいい。でも革の厚みって出すのが難しいんですよね。
ドラム鞣しだと厚みが出しにくいし、そんな素材ほとんど出回ってないし、さらにベルトで使えるナチュラルカラーってなるとキズなどの影響でほとんど取れません。
なのでベルトを一枚革で作るのは、素材の準備から大変なわけです。革ベルトを用意できてこそ一人前のレザーブランドといえるでしょう。
そして、KCsは老舗の意地で、極厚ベルトを作り出すことに成功しています。
なんとその厚みは最低5.5mm!
漉きを入れずに作るため、原皮の厚みによって個体差が出るみたいですが、貼り合わせではなく一枚革で作られています。
そして、KCsでは5.5mmを超えないとベルトにしないそうです。
今までに一番分厚かったものは6.3mmということで、もしそんなベルトを買えたら大当たりですよね。
購入時に厚みを選ぶことはできないので、好みの厚さが届くまでガチャ気分で買ってみるのも楽しいかもしれません。
そして、この厚みのベルトを販売できることこそが、KCsの素材選びの凄さに繋がるわけです。
KC,s(ケイシイズ)のおすすめポイント
いい意味でお手頃な財布だと思います。同じ価格帯の革財布の中ではコストパフォマンスが最高レベルですからね。
なんといっても一番推せるポイントとしては、この価格ですべて国産ハンドメイド!
ほかにも牛革素材の選定はマニアックには定評があり、財布の種類によってアメリカのタンナーから栃木レザーまで、様々な革素材を使い分けられています。
価格も1万円以下~30万円を超えるものまで多数あり、定番品からちょっと変わったアイテムまでたくさんの種類が存在しているのもKCsらしさを感じます。
定番品以外の商品はあまり在庫がありませんが、素材があればオーダー(納期約2ヶ月)でも受けてくれるそうなので、気になる商品があれば問い合わせしてみるのもいいかもしれません。
ここまで安い理由とは?
日本製ハンドメイドとは思えないぐらい安いKCs。同じような財布を他ブランドが作ったら2~5割ほど高くなります。
社員さんに聞いた限りでは、「大きな革をまとめて買って、無駄の出ないように小物へ回して使い切ることでギリギリまで単価を抑えています。」とのこと。
ほかのブランドはキーケースなどの小物を作っていないため端切れを捨てたりするそうですが、KCsでは無駄が出ないように計算して素材を買っているのでここまで安いわけです。
ただ、素材のサイズによっては価格がキープできないこともあり、そういうときは無理に作らず手に入るまで待つみたいです。
ほとんど値上げをしない裏側にはこういう企業努力があったんですね。
KCsの最高級品はアルチザンシリーズ
また、KC,sの中でも「アルチザン」と銘打たれているものは、定番品とは違ってこの世に一つだけの仕様。各シリーズの最高峰になります。
これが本当に人間業なの?っと驚くような仕上がりで最強にカッコいいんです!
作っている職人さんは本当は内緒なのですが、クボタクラフトの窪田さんだったりするんですよね。
窪田さんは日本だけではなく、世界でもトップクラスの職人として名を馳せています。
FUNNYと似てない?似てる?
FUNNY(ファニー)というブランドのラインナップとものすごく似ていて、ずっと同じ会社なのかなと思っていました。
これ、加工をお願いしている職人さんが大体一緒なために、似たようなラインナップになってしまうそうです。
国内の職人さんがどんどん少なくなってきていて、依頼できるところが減っているようなのです。
とはいえ、素材調達自体はブランドごとにそれぞれ行っているようなので、そこで差が出ているのではないかと思っています。
そういう背景を思い浮かべながら、並べて見比べるのも楽しいですよね。
個人的にはFUNNYのほうがシンプルなものが多い気がします。
KC,s(ケイシイズ)のおすすめレザーウォレット
ここから先は、KCsのカッコいい財布を紹介していきましょう!
売れているのはバイカーズウォレットと思いきや、ラウンドファスナーとミニウォレットが好評のようですね。
とくにラウンドファスナーは半端なものだとファスナーが壊れやすいため、老舗のKCsだと安心感が違います。
エイジングして初めて完成するような財布ばかりなので、眺めているだけでも楽しいですよー。
ラウンドジップ3 シリーズ エレファント
スタイル | ラウンドファスナー |
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仕様 | 札入、小銭入、カード12、ポケット6 |
サイズ | 205x100x25mm |
素材 | 象革 / 牛革 |
原産国 | 日本 |
価格 | ¥38,880 |
KCsのラウンドファスナーは大きくわけると3種類あります。(※シリーズ化されてないものもあります)
- ラウンドジップ1(ワン)・・・小銭入れ取り外し&180度開閉
- ラウンドジップ2(ツー)・・・片マチ仕様
- ラウンドジップ3(スリー)・・・通常のラウンドファスナー
シリーズによって、内部構造がこのようになっているんですよね。もちろん、使われている革もシリーズごとに若干の違いがあります。
この中でもおすすめはラウンドジップ3シリーズの超希少な皮革素材、象革(エレファントレザー)を使ったラウンドファスナーです。
これ、本当に内緒なのですがめちゃくちゃ売れてるみたいです。
ケーシーズは基本的にメンズ向けのブランドなのですが、この革財布に限って言えば女性も普通に購入しているという話でした。
象革は表面を起毛させているので高級感がありますし、エイジングした後も高級感が損なわれません。
KCsでは当たり前の用に使われていますがかなりレアな素材なため、一度売り切れると再入荷されにくいのが難点です。気になったならお早めにどうぞ。
ラウンドジップ ミニウォレットシリーズ
スタイル | 小銭入れ |
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仕様 | 小銭入3、カード2 |
サイズ | 95x110mm |
原産国 | 日本 |
価格 | ¥13,000~ |
KCsのもう一つの人気商品が、ラウンドジップのミニウォレットシリーズです。
電子マネー全盛期の今、都会では小銭とカードさえ入れば、大きな財布はいらないですもんね。
お札も折りたたむことで数枚は入りますし、もしものときも困りません。
小銭入れにしては意外と高いのは、ラウンドジップにする工程が大変だからです。
むしろここまで手間が掛かっていて、ラウンドファスナータイプ長財布の半額以下で買えるのは安いんじゃないってぐらいで。
KCsならではの革素材から色々選べるので、お気に入りの一品を見つけてみてください。
アリゾナフローラルシリーズ
スタイル | 二つ折り財布 |
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仕様 | 札入1、小銭入れ、カード8、フリーポケット3 |
サイズ | 195x90mm レーン56cm |
原産国 | 日本 |
価格 | ¥31,000~ |
KCsといえばバイカーズウォレットも忘れてはいけません。
そして、王道のバイカーズといえばアリゾナフローラルシリーズでしょう。
ウォレットロープ付きなので最初は何も考えなくていいですし、慣れてきたら色々とカスタムが捗ります。
コンチョを変えるだけでグッと雰囲気が変わるので、買ったらまず最初にコンチョカスタムから始めてみてください。
全体的にエイジングを考えた素材が使われているため、使えば使うほど楽しくなるシリーズと思いますよ。
サンタフェ ダブルステッチ ビルフォード
スタイル | 二つ折り財布 |
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仕様 | 札入2、小銭入、カード4 |
サイズ | 95x110mm |
素材 | EU.ダブルバット |
原産国 | 日本 |
価格 | ¥10,584 |
個人的に好きな二つ折り財布から、本当に私情だけでおすすめしたいのがこれ
ヌメ革のしっかりした部位を使った日本製という贅沢な仕様なのに、値段がかなり控えめなメンズ用の二つ折り財布です。
シンプルな二つ折り財布を、縁取りを色違いのダブルステッチで縫っていてデザイン性も中々のもの。
ここまで値段を抑えても、基本は外さずに作られているため、個人的には狙うべきだと思います。
この価格帯なら普通はこんな良い素材を使えないし、コスパで見ても最強レベルです。
二つ折り財布としてはかなりの物なので、長く使える良い相棒になると思いますよ。
ケーシーズのエイジング
こちらは、最上級モデルのモンタナのエイジング画像ですが、最上位なだけあって、3年という期間の重みをを感じさせる抜群の存在感ですね。色のグラデーションも最高です。
新品でも完成された美しさを感じましたが、エイジングでここまでモンタナの魅力を引き出すと思いませんでした。
デザインに遊び心のあるシェリダンカービングが施されていますが、革自体が持つ雰囲気で落ち着いて見えます。
もっともっと使い込んで、さらに成長した姿に期待が持てますね。
KCsの修理はどうすればいいの?
これも知らない人も多いみたいなのでついでに書いておきますが、KCsは購入時の保証書さえあれば、「購入店に連絡すること」で修理の手配ができるようになります。
通常の工房と同じように、糸のほつれ、ボタンやファスナーなどのパーツ交換などを行ってくれます。※パーツは有償です
ただし、キズ、破れ、色落ちに関しては受け付けていないので、そちらは革修理専門の業者に依頼してください。
まとめ
- 革の入門者には革を育てる楽しさを教えてくれて
- 革の上級者にはさらなるエイジングで深みを見せてくれる
そんなKC,sはいかがだったでしょうか。
老舗ならではの安定感はさすがですし、攻めの姿勢を忘れていないので新しい素材を出してくるたびにワクワクしますよね。
基本的にはヌメ革を使った分厚いレザーウォレットばかりなので、サイズ感にさえ気をつければコスパ最強の素晴らしいブランドだと思います。