こんにちわ、管理人のナナッフです。
経年変化やエイジングといったキーワードで、当サイトにたどり着かれる方も多くなってきました。
熱心な革マニアの皆さんはよくご存知なのですが「本物の革」だからこそ、経年変化というのは重要な意味を持っているわけです!
ということで今回は、レザーアイテム初心者の方向けに、革財布のエイジング(経年変化)について説明していきたいと思います。
今さら聞けない「革のエイジング」って?
「この財布はタンニン鞣しの革なのでエイジングがカッコいいんですよ」
「本革なので使っているとアジが出てきます」
革を使った製品を見ていると、店員さんからこのような言葉をよく言われると思います。
でも、そんなこと言われても正直よくわかんない。
そもそも、財布なんて使ってるうちにボロボロになっていくだけなんじゃないかと。
でもですね、革を使い込んでいくと画像のように、ナイロンや合皮とはちょっと違う面白い変化が起きるんですよね。
この変化していく様子のことをエイジングとか経年変化とかアジとかいったりします。
どんな革の財布を使っていても、基本的にエイジングが起こります。
つまり、エイジングってどういう状態のこと?
で、ザックリいうと、使い込んだ様子がカッコいい革 のことです。
エイジングは日本語で経年変化といい、時間(経年)が経つことで変わっていく(変化)していくという意味なんですよね。
経年劣化ではなく、経年変化、つまり楽しめる変化のことを指します。
よくあるわかりやすい例では、ジーンズを履いていると色落ちしてきたりするじゃないですか。
ああいう感じで、「使い込んでカッコよくしていく」という概念のことを指すわけです。
じゃあ革にとってそれがどういう現象なのかを説明していきましょう。
エイジングさせるなら「タンニン鞣し革」を選ぼう!
- エイジングしやすい革=タンニン鞣し(ヌメ革)
- エイジングしにくい革=クロム鞣し
特殊なケースはあるものの、基本的にはエイジングさせるためにはタンニン鞣しの革を選ぶのがベストです。
クロム鞣し革に関しては、クロム鞣しと説明されることはなく、だいたいの製品で「本革」と書かれています。
つまり、革製品のなかでタンニン鞣し、もしくはヌメ革、と説明されているものがエイジングしやすい革ということですね。
これを最初に知っておくだけで革選びが楽しくなります。
もちろんタンニン鞣し革でも種類や使い方によってエイジングの方向性が異なりますが、長くなるので割愛します。
革のエイジングはどういう状態?
- 色が濃くなる
- ツヤが出てくる
- キズがついて雰囲気が強くなる
- 自分の生活スタイルに馴染む
エイジングを大きくわけると上記3つが主体になります。
革の色が濃くなる
革は「タンニン鞣し革」と「クロム鞣し革」の2種類がメインになっていますが、その中でもタンニン鞣し革のほうは使っているうちに色が濃くなってきます。
色が濃くなるメカニズムとしては、タンニン鞣しのタンニンが原因で、鞣し剤に使われるタンニンの種類によって変化する色も変わると言われています。
おもに紫外線で焼けてきて色が濃くなりますが、メンテナンスなどに使うクリームの油分でも変化します。
また、革財布などの小物は手の脂でもエイジングが進むため、革靴やレザーバッグから比べると変化のスピードが早い傾向にあります。
ナチュラルのタンニン鞣し革のエイジングばかり取り上げられることが多いけど、タンニン鞣しの場合は色に限らずすべて濃くなってきます。
ツヤが出てくる
革製品は使っているうちにツヤが出てきます。
おもに摩擦と圧力で、革の表面が圧縮されて凹凸がなくなることによりツヤになってきます。
とはいえ、使用状況に応じてツヤ感が変わってくるため、ツヤが欲しいならまずは油分を欠かさないようにするのがベストです。
革自体が乾燥していると、表面がカサカサになってツヤが出にくいからですね。
キズがついて雰囲気が強くなる
革というのはキズが付きやすいものですが、とくにタンニンなめしの革はすこし強く引っ掻いただけでも残るぐらいキズが付きやすいです。
このキズもエイジングとして捉えられています。
僕もタンニン鞣しの革財布を20個以上持っていて、もれなくすべてにキズが付いてます。
もともとの生体由来のキズもあるし、使っているうちにつくキズもありますが、どれもなかなか男心をくすぐります。
逆に、まったく無傷の状態の財布には心が動かないので、キズ付いた財布が好きなのはたぶん本能に刻まれているのかもしれません。
自分の生活スタイルに馴染む
革ジャンとかだと馴染み方が大きいのでわかりやすいですが、革財布も使っているうちに馴染んできます。
手の形、ポケットの形、カード入れ、小銭入れの使い方での馴染み、札入れの開き方での馴染み、新品のときから比べて使いやすくなってきます。
馴染みが進むとそれに合わせて変化してくるため、見た目にも変わってきます。
メンテのときにじっくり眺めて、他人にはわからない自分だけの馴染みを見つけるのが楽しいんですよね。
※劣化とエイジングは違うの?
エイジングの意味って意外と適当に使われています。
経年変化と経年劣化の違いなんてありません。
それを自分が良いと思ったか、悪いと思ったか、ぐらいの違いです。
革ジャンや革靴などではボロボロになってきたら「エイジングしてきた!」とかいって楽しむ人達もいるわけで、ボンバー(B-3)なんて革がボロボロに剥がれたらカッコいい!みたいな世界観です。
広い意味でいうなら「使い込んだ = エイジング」といっても過言ではないかもしれません。
エイジングはどこまでが許容範囲?
経年変化と呼んでいますが、実際のトコロは使っているうちに劣化も同じように進んでいます。
新品より新しくなることはないため、どうしても劣化を避けることはできません。
ただ、革は修理できるため、裂けたり穴が空いたり、ということでもなければ上記画像のようにパーツ交換をしながら長く使うことは可能です。
いつかは使えなくなる日も来るでしょうけど、どこまでエイジングを許容するのかは本人次第ということになります。
「自分が好き」よりも「使いにくい」が上回ったときが買い替えどきでしょう。
この経年変化動画がスゴイ!!
こちらの動画は、ヌメ革の財布を一年間毎日撮影して、変化していく様子を動画にしたものです。
こんなマメに写真を取り続けるなんてすごい根気ですよ。尊敬します。
確かに、ヌメ革の財布って気がついたらアメ色になっていますからね。
このように少しづつ変わっていく過程を動画で見るなんて、本当に貴重な動画だと思います。
こんな動画を見てしまったら興奮して、お酒が何杯でも飲めちゃいます。最高です!!
エイジングを日本に持ち込んだのはREDMOON
さて、ここまでで経年変化の真髄が分かって頂けたでしょうか
ちなみに、革財布の経年変化というのは、REDMOONが最初に使い始めたそうで、そこから革財布の良さが注目されるようになったそうですね。
今は当時ほど有名ではないですが、昔は「革財布と言えばレッドムーン」というぐらい凄かった時代があったのです。
雑誌で見て憧れた方も多いのではないでしょうか。
-
「レッドムーンの財布」男の闘争本能を呼び覚ますバイカーズウォレット
レッドムーンとは バイカーズウォレットの超定番。語ると必ず名前が出てくる。 レッドムーンという名前は、想像上のネイティブアメリカンの酋長の名前。 大輔レザーと黒羽の職人さんはレッドムーン出身。 値段帯 ...
まとめ
という事で、革財布の経年変化についてのお話でした。
古い物って味わい深くて良いんですよね。
身体に馴染んでいるというのも有りますけど、それだけ自分と長い時間を共有してきたという証でもありますから。
あなたもぜひ自分だけの相棒を見つけて下さい。
また、各ブランドのエイジング画像をまとめた記事も作っていますので、お時間があればそちらも一緒にご覧下さいね。
≫ 「ブランド別エイジング画像集1」
≫ 「ブランド別エイジング画像集2」