ジワジワと認知度が上がってきているマニアックな革があることをご存知ですか?
それが、世界でも珍しい天然本藍染の革「SUKUMO Leather(スクモレザー)」なのです。
藍染という日本伝統の手法に加えて、使われている染料も徳島の貴重な天然藍「阿波藍(あわあい)」が使われているとか、なんだか字面からもヤバさを感じますね。
今日は、そんなスクモレザーを紹介しましょう!
スクモレザーの特徴
そもそも藍は強アルカリ性なので、革を染めるのには向いていない染料です。そのまま染めると革が硬くなってしまうそうです。
しかし、マニアックな素材にはマニアックな背景があるのはご存知の通り。
日本の革職人の執念ともいえる技術の研鑽によって、しなやかな藍染革「SUKUMO Leather」として誕生しました。
(※文中ではカタカナで統一して書いていますが、アルファベットのSUKUMO Leatherが正式名称のようです。)
徳島で取れた阿波藍を、同じく徳島で染料の藍(スクモ)に加工して、京都の呉服職人が染めて、兵庫の皮革工場で仕上げて、初めてスクモレザーとして世の中に出てきます。
この繊細な青い革を一枚作るのに、大変な手間暇が掛かっているのですね。
・天然藍染は作品
スクモレザーとは
スクモレザーは、天然の染料で染められた珍しい日本製の革で、約600年続く伝統製法から生み出される天然染料『蒅』(すくも)で染められています。
着物などでは藍染があるのですが、革で藍染というのは技術的に難しく、あまり出回っていない貴重なのです。
藍色のことを海外ではジャパンブルーと呼んだりするそうです。淡いブルーから感じる繊細さはどこか日本人らしさを感じますね。
しかし、いつのころからか藍が日本人の生活に必要なくなってしまったおかげで、今では藍染のものは高級品に分類されるようになりました。
スクモレザーも例外ではなく、高級な革として取引されているようです。日本伝統の革といっても過言ではない藍染レザー。
ジッと見ていると心に響いてくる魅力があります。
・日本伝統の青色「藍」
「青は藍より出でて藍より青し」
ということわざがあるぐらい、日本人に昔から親しまれていた染料の藍。
深く、そして鮮やかな青色は見るたびに気持ちがスッキリ落ち着いてきます。
とくに、今回紹介しているスクモレザーを染め上げている藍は普通のものではなく、徳島産の阿波藍という貴重な藍が使われています。
・阿波藍のすごさ
阿波藍の起源は平安時代、徳島の山岳地帯で阿波忌部(いんべ)氏が織った荒妙(あらたえ)という布を染めるために、栽培が始まったと伝えられています。
最古の資料は『見性寺記録』というもので、その中には宝治元年(1247年)に藍住町の見性寺という寺を開基した翠桂(すいけい)和尚が、そのころ寺のあった美馬郡岩倉(現在の美馬市脇町)で藍を栽培して衣を染めたと記されています。引用元︙徳島県観光情報サイト「阿波ナビ」
じつは天然の藍というのは明治36年をピークに段々と生産量が減ってきているのですが、徳島では脈々と数百年間受け継がれてきているのですね。
天然藍は、防虫、防腐、抗菌などに効果があり、ほかには薬用としても、効果効能の強い植物として使われてきた過去があります。
藍は単なる染料としてではなく、実用的な一面も持っているのです。
今の時代、藍染は失われつつある技術ですが、一部の藍染職人の技術が無形文化財に指定されたりと、次の世代に繋げることも模索されています。
・スクモレザーのスクモってなに?
スクモレザーは「藍染めの革」ということで、じゃあスクモという名前ってどこから来たの?と疑問に感じたので調べました。
藍というのは植物の名前で、染料にするためにはいくつかの加工が必要になります。
植物の状態からそのまま使えるわけでは無いようです。
藍をスクモにするために、刈り取りから乾燥まで終わらせた藍を、100日寝かせて発酵させていきます。
ちなみに、出来上がったスクモを固めて移動しやすくしたものを「藍玉(あいだま)」というそうです。
スクモレザーのエイジング
残念ながらスクモレザーは、まだあまり馴染みのない素材のせいか、経年変化については情報がほとんど出てきていません。
ですが今回、なぜか僕の手元にスクモレザーを使ったラウンドファスナーが・・・!
ということで、実際にスクモレザーの財布を使って、身を持ったエイジング情報も残していきたいと思います。
藍染レザーのエイジング!気になりますね。
乞うご期待です!
【エイジング経過画像はこちらで紹介していきます】
≫ 【レビュー】これすごい!スクモレザーのラウンドファスナー長財布
まとめ
今までありそうでなかった藍染の革。
「革の楽しさと、藍染の楽しさ。」
スクモレザーは、この2つが合わさった最高に面白い革なんじゃないかな、っと思っています。
ただ藍色にしているわけではなく、本物の天然藍を使った柔らかな風合い。
日本人の生活に深く馴染んでいる藍だからこそ、どこか懐かしい感じがするのかもしれません。