いやー、気難しい革ですね。コードバンって。
ということで、手持ちのコードバン財布に水ぶくれができてしまったため、元のかっこよさを取り戻すために手入れしていきましょう。
- 水ぶくれの処理
- 色が薄くなった場所の補色
- コードバンの艶出し
の3点をメインに解説していきたいと思います。
今回手入れしているのはシェルコードバンですが、水染めコードバンも同じようにメンテナンスすればキレイになりますよー。
目次
シェルコードバンの財布を手入れしていきます
「ひょええええ!!!」
コードバンってこんなに水に弱いんかーーー!!!
ってことで、シェルコードバンの財布はいつもクリームだけで手入れしているんですけど、水で拭いたらどうなるんだろ?
という出来心で水拭きしたらえらいことになりました。
水に弱いのは知っていましたが、でもキレイにしておきたい気持ちに負けて・・・。
みたいな好奇心が疼いてしまった結果が上記画像です!笑
やってしまったものは仕方ないし、コードバンの水ぶくれを直しながら手入れしていきましょう!
今回手入れする財布の詳細
用意したのはココマイスターの「シェルコードバン ジョンブル」です。
いい財布なんですけどねー。コードバンをキレイに保つのって大変なんですよねー。
それに高級皮革のコードバンは意外と良い値段がするため、丈夫な素材だと思って買う人も多いようですが、実際はかなり気難しい子なんです。
その代わりにエイジングは極上なので、革が好きな人が最後に行き着くのがこのシェルコードバンというわけです。
コードバンの水ぶくれ処置方法
コードバンの水ぶくれを消すのに、こういった水牛の角で作られたスティックを使います。
表面がツルツルしているものだったら、ガラス板とかスプーンとか何でもいいみたいです。
僕はマッサージ用の「かっさ棒」というものを購入しました。
これ一本で、大きい面積から小さい入り組んだ場所まで、汎用性が高いのでオススメですよ。
ざっくりと水分を吸って膨れている場所を慣らします。
最初はあまり力を入れずにクルクルと回すイメージでいきましょう。
これで失敗したら取り返しがつかないため、少しずつ力を入れていくとうまくいきます。
水ぶくれが消えたら終了。
水ぶくれだけじゃなく、小さなキズも頑張れば消えますが、深い傷は消えないので注意。
なんとなくいい感じになったなー(80%ぐらいの満足度)というところで一度やめておきましょう。
なぜなら、あとでワックスを塗る工程でも乾拭きするし、クロスで撫でたときも表面がキレイになるからです。
手入れは何回やり直してもいいので、こういう大きく表面修正するときはザックリと進めたほうが上手くいきます。
コードバンメンテは補色しておくと仕上がりがキレイに
補色用にシュプリームクリームデラックスの黒を用意しました。
やらなくてもいいですが、せっかくの高級皮革なので補色しておいた方が絶対キレイに見えます。
あと、油分と水分を両方含んだシュプリームクリームはコードバンの毛羽立ち(厳密にいうと違いますが白くなるやつ)を抑えるのにも効果がありますね。
たくさん種類があるため、財布と同色を選んでください。
つまり補色と艶出しだけじゃなく、水ぶくれを減らすのにも一役買ってくれるわけです。これは使わない手はない!
指先に取ってクルクルと塗り込んでいきます。
指先で出来る限りうすーく塗ってください。(※ペネトレイトブラシは厚塗りになるため使わないほうがいいです)
体温で温まることもあって、シュプリームクリームは少量でもかなり伸びます。
ちなみに、指先の汚れは水洗いすればキレイに落ちるので安心ですね。
写真を撮りながら塗るのが難しい。。。
コツはとにかく薄く塗ることです。
「ちょっと薄すぎたかなー」
ぐらい薄くてちょうどいい感じです。
全体を塗り終わったら乾くまで10分以上放置しておきます。
今回は黒なので片面ずつ乾かしていますが、ある程度乾いたら裏面に進んでもいいと思います。
この辺は経験とカンで。
ブラッシングは丁寧に
全体が乾いたら一度ブラシをかけましょう。(※ちなみに、今回の手入れではブラシの出番がこれで終わりです)
クリームが厚く残っている場所は乾ききっていないのですが、そのまま上からブラッシングで慣らしてしまえばOKです。
あと、画像では馬毛ブラシですが、シェルコードバンの場合は山羊毛のような柔らかいブラシのほうが向いている気がします。
いつものように圧力をかけながらブラシをかけたら、ブラシの跡が残ってしまって消すのに大変でした。
ツヤがちょっともの足りないけど、いい感じに仕上がりました。
最初の水ぶくれしていたときから比べると段違いにカッコよくなっていますね。
でも、まだまだこれから黒光りさせていきますよ!
最後の艶出しはコードバンワックスで!
ここまでで表面を整えたら、仕上げは長谷革屋のオイルワックス!
これがまた、しっとりツヤツヤに仕上がるんですよね。
長谷革屋は、コードバン専門タンナー(革業者)「レーデルオガワ」が作ったブランドということで、使わない理由がありません!
さぁ、老舗タンナーの実力を見せてもらおうじゃありませんか。
成分は油脂と蝋。すごくシンプルで男らしい!
匂いは牛小屋をマイルドにしたような感じ。
いい香り〜、というわけではないんですけど、逆にそれが効果ありそうでワクワクします。
使用方法もいたってシンプル!
布に取って拭き上げるだけ。簡単すぎでしょ。
これは迷いようがありません。
中身はしっかりとした固形タイプ。
洗車用の固形ワックスのようにカッチリしています。
塗っていくよー
ワックス塗布用の布を何にしようか迷いましたが、柔らかい布ということで使い込んだマイクロファイバークロスにしました。
じつはこれ、100均の台拭きなんですよね。笑
ちなみに、今回の手入れで「革専用クロスのほうがキメ細かくて仕上がりがいい」と気がついたので、次回からコードバンに関しては専用品を使います。
シュッとクロスの先でぬぐい取るようにして掬い取ります。
ワックスが硬いのでグッと取りたくなるところを抑えて、最初は様子を見ながら軽く取っていきましょう。
クロスの先にワックスがほとんど付いてないけど、これで平常運転です。
こんなに少なくても、長谷革屋のワックスはかなり伸びるため大丈夫なのです。
う、黒だから写真に撮りにくい・・・。
画像下のほう、真ん中ぐらいで色が変わっているところがわかりますか?ワックスを塗っているのは真ん中より右側です。
見にくいですが、塗った部分は透明感が復活していて、肉眼で見るとツヤツヤになっています。
全体にかるーく塗布しました。
この時点でかなりツヤが蘇っているのがわかります。
あの水ぶくれがここまで復活するなんて感動!
記事最後のまとめでビフォー・アフターを載せておきますね。
あとは磨くだけ!
シェルコードバンの場合は、力を入れず撫でるようにしたほうが透明感が出るような気がします。
もともとの革の状態でも変わるので、様子を見ながら色々試してみてくださいね。
注:コードバンは起毛素材に近くて、撫でる方向があります。キレイに光る方向を探してみてください。
ほら、見てください。
ツヤッツヤですよ、ツヤッツヤ!
もう何回か磨いたら鏡面になって顔が映りそうなぐらいです。
ということで、表面の手入れが終了しました。
こんなにキレイになると思っていなかったため、小一時間眺めてたり。。。楽しい!
いやー手入れって本当に良いものですねー。
残った小さなキズもスティックを使って頑張れば消えそうですが、どうせまたすぐに傷がつくだろうし諦めました。
ついでに内装のコードバンも手入れするよー
外装ばかり気になっていましたが、内装もよく見たら汚れているため手入れしておきたいと思います。
外側と比べてツヤがあるしキレイなんですけどね。
今回は補色するほど色も落ちてないため、コードバンワックスを塗るだけにしておきましょう。
サクサクっとワックスを塗り拡げていきます。
ふぁあああああ!
美しい・・・!!
画像ではあまり変わってないように見えますが、実物はなかなかキレイに仕上がりました。満足です。
これぞコードバンっていう輝きですね。
ここから本気で手入れすればもっともっとキレイに仕上がりますが、次回のお楽しみに置いておきましょう。
興味のある人は「コードバンの脱皮」で検索してみてください。
まとめ

最後まで手入れした財布
所要時間はシュプリームクリームを乾かす時間込みで30分ほどでした。簡単ですね。
コードバンを買ったはいいものの、手入れで悩んでいる人は多いはずなので、この記事が参考になれば幸いです。
とくに今回使った長谷革屋のワックスが秀逸で、ヌメッとした輝きを取り戻すことができます。
定期的に手入れで使いたい!
▼手入れ前はこちら

手入れ前の状態がコレ!
手入れ前はこんな感じだったので、めちゃくちゃカッコよくなったのがわかりますね。
また、水ぶくれもほとんどの場合、今回の記事のようにスティックで擦ってからクリームを塗れば治ります。
もし諦めていた財布があれば試してみてください。
それではまた。
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