革のダイヤモンドと言われている高級皮革コードバン。あの輝きを見るとだれもが憧れてしまいますよね。
じココマイスターでは、一口にコードバンといってもいくつかの種類があり、
- シェルコードバン:最上級!
- コードバンクルー:めちゃ丈夫!
- コードバンクラシック:ヴィンテージ感満載
- マイスターコードバン:スタンダードなコードバン!
上記の4種類に分かれています。
それぞれ使われている革違い、財布によってエイジングの方向性が変わってきます。
そこで今回は、めちゃくちゃカッコイイ「コードバンコレクション」の詳細を説明してきましょう!
コードバン素材の違いを知っている人は本当に少ないので、知っているとちょっとした自慢ができますよ!
ココマイスターのコードバン コレクションとは?
革好きなら誰でも一度は憧れる「コードバン」。取り扱いが難しいぶん、上手に育てると気品のある輝きを見せてくれます。
ですが、同じコードバンという名前で呼ばれている素材でも、じつはタンナー(革の業者)によって性質が変わります。
そう、意外と知られてないコードバンのタンナーによる違い。
ここを理解すれば、ココマイスターのコードバンコレクションはもっと面白くなるんですよね。
使われているコードバンの種類は?
- ホーウィン社:アメリカ
- 新喜皮革:日本
- レーデルオガワ:日本
じつはココマイスターのコードバンコレクションでは、一番上のホーウィン社以外のコードバンについては秘匿されています。
ですが、コードバンタンナーは世界に数社しかないといわれていて、高級な革財布に使われているのは上記3種類だけになるので特定は容易だったりもします。
わりとどこのブランドも、コードバンをタンナーによって呼び分けるという様式美があるんですよね。
ホーウィン社のものはシェルコードバン、新喜皮革のものはタンニン鞣しコードバン、レーデルオガワのものは水染めコードバンです。
これらは、とくにそう決まっているわけではなく雰囲気で呼ばれているため、確立された呼び方ではありませんが、ほぼこんな感じ。
タンナーを明かさない場合の匂わせというやつです。
また、最近ではオイル染めコードバンもレーデルオガワ製の匂わせワードになってきていますね。
(※この匂わせワードを使って、出所不明のコードバンを高級そうに売っている小売業者もいるので注意)
ホーウィン社のコードバンの詳細
コードバンの中で一番有名で最高級品として扱われているのが、アメリカ・シカゴで100年以上の歴史を持っているホーウィン社です。
ホーウィン社が作るシェルコードバンは昔ながらのタンニン鞣しに、オイル染めという昔ながらの手法で作られていて、革の風合いを損ねない自然な仕上げが施されてています。
ただでさえ原皮が手に入りにくくなっているため、コードバンの中でも貴重さはトップクラス。
高級皮革の代表格なので、どこのブランドでもホーウィン社の作るオイルシェルコードバンを最高ランクに位置付けしています。
新喜皮革のコードバン
日本の姫路市にある「新喜皮革(しんきひかく)」は、日本で唯一にして最強の馬革専門のタンナー。
馬革のタンニン鞣しをしているタンナーは日本でほかにいないので、馬革のエキスパートとして君臨しています。
新喜皮革のコードバンはミモザの樹皮エキスを使ってピット槽で鞣している、昔ながらの鞣し方です。
水染めをする時は、レーデルオガワというタンナーに出しています。
新喜皮革が作ってレーデルオガワが染め上げた水染めコードバンは、普通のコードバンとはまた違った雰囲気になっていて、めっちゃカッコ良いので好きです。
レーデルオガワと新喜皮革の違い
新喜皮革は世界トップクラスのコードバンタンナーです。(といっても世界にコードバンタンナーは世界に数社しかないですが)です。
レーデルオガワはコードバンタンナーですが、鞣すことはしていません。
なので、新喜皮革が鞣したコードバンを仕入れて、自社では仕上げに専念している、いわゆる「フィニッシャー」と呼ばれる部類のタンナーになります。
とはいえ、どちらも国産コードバンとして扱われているため、ブランドがタンナーの名前を出していない限りは、どこが作っているのかを正確に知る方法はありません。
例に漏れず、ココマイスターのコードバンコレクションに使われている革も、このどちらかのタンナーのものだと思いますが、記されていないために予想するしかありません。
色明るく鮮やかなカラーラインナップになっている場合はレーデルオガワ製が使われていることが多いので、皆さんもタンナーを想像しながら眺めてみてください。
どのコードバンが一番なのか?
正直、このクラスのコードバンになると、価格よりも自分が好きかどうか、で決めたほうがいいです。
とくに革に関しては関税がかかるため、アメリカのホーウィン社のほうが価値が高いというよりも、国内の関税がかかってない新喜皮革の革が安すぎる、と思ってください。
革靴から入った人はオールデンやホワイツに代表されるシェルコードバンを好みますし、革小物から入った人は水染めコードバンを好む傾向にあります。
僕もコードバンをいくつか種類別で使っていますが、個人的には水染めコードバンの繊細さと透明感に心を奪われます。
コードバンコレクションのすごいところ
マニアックな革の選定以外のココマイスターのすごいところに、抱えてる職人がすごい、というのがあります。
つまり上記画像を見てもらえればわかります。
わからない方のために、もう少し拡大してみましょう。
拡大してみます
アップしすぎて画質が荒くなりましたが、この縫製です!
他ブランドの場合、コードバンやブライドルレザーのような硬い革のときにミシンの跡がついてグサグサしてるものも多いんですよね。
とくに海外ブランドだと顕著にグサグサ感が出てきますし、日本製でもわりと見かけます。
でも、僕が持っているジョンブル(シェルコードバンの二つ折り)を見ても、革が分厚いところ以外はすべてスムーズなステッチになっています。
職人のミシン技術についてはあまり詳しく知りませんが、この縫製の滑らかさは熟練の職人による一級品だと思います!
使用するぶんには問題ないけど、こういう部分で手を抜かれるガッカリするため、ここまで丁寧だと嬉しいですもんね。
コードバンコレクションの革財布紹介!
コードバンコレクションは数が多いため、どうやって紹介しようか迷いましたが、シリーズごとの簡単な紹介だけにします。見づらければ教えてください。
- シェルコードバン:最上級!
- コードバンクルー:めちゃ丈夫!
- コードバンクラシック:ヴィンテージ感満載
- マイスターコードバン:スタンダードなコードバン!
ココマイスターのコードバンシリーズはこの4種類。
過去には無印のコードバンシリーズもありましたが、今は生産終了しています。
それではいってみましょう!
シェルコードバンシリーズの財布
シリーズ名 | シェルコードバン |
外装 | シェルコードバン |
内装 | シェルコードバン、ヌメ革 |
アーチデューク: ラウンドファスナー | ¥ 140,000(税込) |
スタンフォード: 長財布 | ¥ 110,000(税込) |
ジョンブル: 二つ折り財布 | ¥ 92,000(税込) |
オベロン: 札入れ(二つ折り) | ¥ 59,500(税込) |
サルトラム: コインケース | ¥ 65,000(税込) |
革靴マニアが大歓喜する垂涎のシリーズ「シェルコードバン」。
世界トップクラスのコードバンにして、限られたブランドにしか取り扱うことのできない「米国ホーウィン社のシェルコードバン」。
ホーウィン社のシェルコードバンは高級革靴用素材なので格が高く、ブランドが使うためには審査があるようです。
それだけ貴重なコードバンをふんだんに使っているこの財布は、ココマイスターでも生産数が少なく幻の商品になっています。
(※色によっては入荷してから1,2分で完売してしまうこともよくあります。)
普通に買おうと思っても中々手に入らないので、ない時は根気よく待つか、いっそのことスパッと諦めてしまいましょう。
長財布、ラウンドファスナーの人気が高いです。
コードバンクルーシリーズの財布
シリーズ名 | コードバンクルー |
外装 | 国産コードバン |
内装 | オークバーク、ヌメ革、国産コードバン |
ブルックハウス: L字ラウンドファスナー | ¥ 113,000(税込) |
スチュワート: 長財布 | ¥ 97,000(税込) |
ブルッククローズ: ラウンドファスナー | ¥ 93,000(税込) |
グレスティ: 二つ折り財布 | ¥ 77,000(税込) |
タワーズ: BOX型コインケース | ¥ 38,000(税込) |
イギリス チェシャーのクルーという鉄道の街からインスパイアされた「コードバンクルー」。
テーマは「発展」で、力強さをイメージしたコードバンと、鉄道の枕木をイメージした内装のオークバークが、それぞれ存在感を主張しあっています。
オークバークは靴底にも使われるほど丈夫な鞣し方をされていて、通常のヌメ革よりも圧倒的な耐久力を誇ります。
つまり、国産のタンニン鞣し オイルコードバンに、強靭すぎるオークバークの強力タッグなわけです。
さらにいうとエイジングが待ち遠しくなるカラーラインナップも見逃せません。
裏表ともに強い革なので慣らすまでが少し大変かもしれませんが、この仕様にこのカラーなら革好きが大満足できますね。
馴染ませることを前提として使うなら、間違いなく至高のシリーズでしょう。
コードバンクラシックシリーズの財布
シリーズ名 | コードバンクラシック |
外装 | ロウ引きコードバン |
内装 | アマンデルレザー |
ハイペリオン: ラウンドファスナー | ¥ 97,000(税込) |
キングフィッシャー: ラウンドファスナー | ¥ 73,000(税込) |
シャーラック: 長財布(通しマチ) | ¥ 69,000(税込) |
ソードダンサー: 長財布(V字マチ) | ¥ 67,000(税込) |
スウィープ: 二つ折り財布 | ¥ 53,000(税込) |
馬蹄小銭入れ: コインケース | ¥ 25,000(税込) |
正直な話、このクラシックシリーズには僕の知らない「ロウ引きコードバン」というものが使われています。
ロウ引きコードバンの詳細がわからないため、大手を振ってオススメすることはできません。実物を触ってもよくわかりませんでしたし。。。
価格帯的に変なものは使ってないでしょうけど、ガチでどこの革かわからないし、僕は財布のバックストーリーも大事にするべきだと思っているので紹介が難しいのです。
とはいえ、注意書きの文章を読んだ感じだと「国産の水染めコードバンの表面にロウを塗って、クラシカルな見た目を演出している」あたりでしょうかね。
色も2色しかありませんし、他のシリーズに比べればあまりワクワクもありません。
持っている人には申し訳ないのですが、個人的に食指が動かないシリーズです。
コードバンクラシックシリーズでも「馬蹄小銭入れ」だけは別格です。
コードバンの馬蹄は作れる職人が少なく超貴重なので、もし在庫があるなら確実に手に入れたほうがいいと思います!
マイスターコードバンシリーズの財布
シリーズ名 | マイスターコードバン |
外装 | 国産コードバン |
内装 | オークバーク、ヌメ革、国産コードバン |
スカイスクレーパー: ラウンドファスナー | ¥ 71,000(税込) |
ハイフライヤー: 長財布 | ¥ 68,000(税込) |
ラスティング: 二つ折り財布 | ¥ 50,000(税込) |
ラウンドヘッド: コインケース | ¥ 27,500(税込) |
内装、外装ともに一番基本に忠実なコードバンシリーズなので、迷ったらこちらから選ぶのをオススメします。
表面を顔料で塗り固めている一般的な安物のコードバンとは違い、アニリン塗料で丁寧に芯まで染め上げられた「水染めコードバン」が使われています。
水染めのおかげでコードバンの自然な表情はそのままに、「深い透明感」と「光沢」を楽しめるんですね。
こうやって見てるとコードバンだけに目が行きがちですけど、内装のマルティーニもめちゃくちゃ評判の良い高級皮革です。
とくにミネルバボッ...おっと、失礼。マルティーニのエイジングは素晴らしいと革マニアが大絶賛するほどの逸品なのです!
使われている革や値段など、全体のバランスがとてもいいので、コードバンシリーズでも不動の人気があります。
ここから先はコードバンの説明!
革の中でも最高級とされていて、財布のみならず、革靴の世界でもにも高級皮革のコードバン。
エイジングによって生み出されるその輝きは、革の宝石といわれるぐらい美しく、コードバンより上位の皮革素材はほとんどありません。
ですが、知っていますか?
「じつはこのコードバンって馬のお尻の革なんです。」
馬のお尻の革といっても、厳密に言えば馬の体の中で一番密度がギュッと詰まっている部分を取り出して使用するわけです。
牛革は銀面と呼ばれる革の表面をそのまま残して使いますが、コードバンの場合は革の表面をバフなどで一度削り落として、その下にあるコードバン層と呼ばれる部分を取り出して使います。
コードバンは通常の革の数倍の強さを持っているのでとても耐久性に優れていますが、その硬さゆえにキズがつきやすいので気を使いますね。
それでも大事に扱えば10年以上使える堅牢さと、使い込むほどに美しくなることが特徴なのです。
馬革とコードバンの違い
コードバンは、馬の革の一部なのですが、厳密にいうと馬革とは区別されています。
なので、「馬革もコードバンのように丈夫なんじゃないか?」と思ったりするのですが、じつはそうではありません。
本来の馬革は、革製品に使われることの多い牛革よりも繊維密度が低くて柔らかい上に軽いのです。
コードバンの部位(臀部の皮下)だけが特別に強いのです。
コードバン>ブライドルレザー>牛革>馬革>ラムレザー
細かい条件を抜きにすると、上記の順番で耐久力に優れていることになります。
コードバンが牛革よりも強いのは、繊維層の密度が牛革の3~5倍もあるからです。
コードバンが貴重な理由
コードバンが貴重といわれるのは、需要に対しての供給(生産量)の問題が大きいと言われています。
基本的に革というのは、食肉加工の際に出た皮を引き取って、革へと加工(鞣して)います。
つまり、馬を食べる人が世界からどんどん減っているのが、いまコードバンが貴重な理由に繋がっています。
反面、牛革が大量に出回っているのは、世界中で牛が食べられているからですね。
よく聞く「一部の馬からしか取れない」ということはなく、馬であればコードバンが取れるとタンナーさんがいってました。
コードバンを鞣せるタンナーが少ない!
ただでさえ馬の数がすくないことに加え、コードバンを作ることができるタンナー(革の加工業者)も限られているというのもあります。
- アメリカのホーウィン社
- 日本の新喜皮革
良質なコードバンを鞣せるタンナーは、この世界中にこの2社しかないと言われています。(※国内に、宮内産業というタンナーもありますが、元がランドセルのための大量生産用コードバンなのでエイジングなどの面であまり期待はできません)
ほかに、クレイトン社(イギリス)、ロシナンテ社(アルゼンチン)、ロカド社(イタリア)も、コードバンのタンナーに名前があがることがありますが、内情が分からないのでここでは割愛します。
また、レーデルオガワはフィニッシャーなので、コードバンを鞣せるわけではなく、総生産量を増やすわけじゃないです。
つまり、ほぼこの2社だけで需給が回っている状態です。いくらなんでも少なすぎですよね。
参考:世界のタンナー一覧ページ
革靴の需要が非常に増えた
革の使い道はほとんどが靴だそうです。自分でちゃんと調べたわけではないのですが、タンナーの方が言っていました。
ということで、コードバンは出来上がる端から革靴用として買い取られていきます。
革財布用に流れてくるのは、革靴のあとなので、財布として作られている数が少ないんですね。
コードバンは染め方も色々
コードバンには着色方法にも種類があります。
- 染料を使ったオイル染め(シェルコードバン)
- 染料を使った水染め(マイスターコードバン)
- 顔料染め
オイル染め、染料染めは塗膜が薄くできるため、素材の風合いを生かすことができます。
素材の風合いが生かされるということは、つまりキズ、シワの少ない良い素材を使わないといけないので値段も高くなりがちですね。
その反面、顔料染めだと、キズを気にせず塗膜で埋めてしまえるので安く作れる反面、エイジングしにくいなどの悩みがあります。
染め方次第でエイジングの方向性が変わるため、シェルコードバン以外のコードバンについては染め方が重要になります。
染料染めコードバンと顔料染めコードバンの違い
- 染料は水に溶けきった状態でサラサラの塗料
- 顔料は粒子が大きく水に解けずにドロドロとしている塗料
です。ザックリいうと水性絵の具と油性ペンキのような関係だと思ってください。
革の場合はエイジングの風合いが出やすい染料染めのほうが人気ですが、色ムラなく染めるのが難しいためあまり出回りません。
コードバンの経年変化(エイジング)
当サイトのココマイスターの経年変化画像集の中に、コードバンの財布も少しあります。
丁寧にエイジングしたコードバンは革の中でも別格の雰囲気があり、磨けば顔が映るぐらいツヤがでます。
めちゃくちゃカッコイイのでぜひ、ほかの革と見比べてください。
≫ 【画像だけ】ココマイスターの経年変化(エイジング)まとめ!
まとめ
いやー、ココマイスターのコードバンシリーズはどれもこれも評判が良いですね。
シックでエレガント、大人の男にふさわしい革財布です。
ですが、ココマイスターのコードバンは手に入りにくいのが難点。
月一回ぐらいの割合でどれかのシリーズが入荷しているようなので、ココマイスターのメルマガに登録すると最新情報が手に入って買いやすいと思います。
ココマイスターは予約販売がないので、販売お知らせメールから狙っている商品をゲットしてみてください。
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